糖尿病の検査治療
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高い状態をさす病気です。
糖尿病は膵臓癌が原因である可能性あり、発症初期には精査をお勧めしております。(膵臓癌は早期発見にて完治率が上がります。)
糖尿病は深刻な合併症(神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症など)を引き起こすことがあり、最悪の場合は、足を切ったり死に至る危険な病気です。早めの治療・対策が必要です。
糖尿病協会ホームページより
糖尿病の診断
慢性高血糖を確認し、さらに症状、家族歴、体重歴などを参考として総合判断いたします。
上記にて判断がつかない場合3~6か月の間隔で再検査を行うことが推奨されています。
あくまで平均なので高血糖や低血糖を目まぐるしく変わる人もあまり血糖が変化しない人も同じ値になります。
検診で異常を指摘された方は、再検査等をお勧めいたします。
当院では血糖、HbA1c両方ともに院内での検査を行っておりますため数分で結果が出ます。
血糖コントロールの目標値
(65歳以上は高齢者の血糖コントロールにしたがいます)
以前はHbA1cをコントロールすることに注力されている時代がありました。現在はそれに加え食後高血糖のコントロールが大切とされています。食後高血糖は脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化疾患に強く影響します。
血糖は食事を取っても上がりすぎないように、空腹でも下がりすぎないようにすることが大切です。当院では血糖は空腹時血糖を測定することもありますが、食後高血糖を検査するために食後の採血や1.5AG検査をいたします。
老化物質(AGEs)
血糖が上がることによりAGE(終末糖化物質)が増加いたします。AGEは狭心症、糖尿病増悪、骨粗鬆症、認知症、老化の原因になると言われています。AGEはタンパク質に糖が付いた物質、ハンバーグでのおこげ、メイラード反応でできる物質です。(食事で吸収されるAGEは微量ですので問題になることはありません。)
AGEを増やさない治療が必要です。
当院の治療について(血糖コントロールと合併症予防)
治療の目的は血糖を上がりすぎないようにすること、合併症を予防することです。
合併症には最小血管障害(神経障害、眼、腎臓)や大血管障害(狭心症や脳梗塞などの動脈硬化)があります。
治療は合併症を予防し、日常生活の質を保ち合併症の発症予防や進展を防ぎ、健康な生活を送ることです。
最近はいろいろな薬が開発、処方されるようになってきました。運動療法や食事療法の重要性も指摘されています。
当院では血糖を下げるのみならず、合併症の予防に注力しています。
食事療法:
前述した血糖の変動が無いように、そのためには食事の食べ方、野菜から食べて、次にタンパク質(肉や魚、豆類)、最後に炭水化物を食べると言う順番が大切です。
活動量や体格に合わせて、必要なカロリーをバランスよく取ることが必要です。
運動療法:
いつでもできる運動がおすすめです。雨が降っても飽きてもすぐに再開できる、家の中でできる運動から始めましょう。当院ではコーチングも致します。
運動は3日開けると効果が無くなりますが、運動が体に適応するまでに2-3か月が必要と言われています。
薬物療法:
当院では、運動療法、食事療法、内服薬やインスリンの注射による薬物療法を行い、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・腎障害、眼障害・神経障害・足の壊死を予防いたします。
合併症として狭心症や心筋梗塞がある糖尿病、心不全を予防する薬剤、膵臓を休ませる薬剤や、体重減少も見込める薬剤などそれぞれの病態に応じて使用する薬剤が違ってきます。
年齢、運動量、ライフスタイルに合わせた治療が必要になってきます。適切な治療を提示いたします。
糖尿病合併症:
合併症は2種に分類することが出来ます。
①手のしびれ、腎臓病、眼の病気
②狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、足の痛み、足の壊疽
③歯周病
①に関しては血糖を厳格にコントロールした方が予防や増悪を防ぐことが出来ます。
②に関しては、あまり厳格にコントロールしても予防は出来ず、むしろ低血糖にならないように。高血糖になりすぎないようにすることが大切です。そのためには食後高血糖を防ぐような食事、運動、そういった種類の薬を使用することが勧められます。
動脈硬化を防ぐためにはAGEにも注意する必要があります。
①②③にある疾患それぞれに気を付けるべき栄養素や必要な検査があります。患者さんの現在の状態に応じて食事療法を勧める必要があります。
用語説明:
※HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値とは赤血球の中のヘモグロビンと言う色素の中で糖と結合しているのがどれくらいあるかを示す指標です。
最近1~2か月前の血糖のレベルの平均を示しており、当日や最近の血糖は影響しません。つまり当日の食事は食事は影響受けません。