カバの赤い汗 それは紫外線対策です。
[2026.07.11]
「カバは赤い汗をかく」という話はよく知られていますが、実は本当の汗ではありません。
赤い汗の正体
カバの皮膚から分泌される赤色や橙色の粘液です。この分泌液には主に次の2種類の色素が含まれています。
- 赤色の色素(通称「ヒポスドール酸」)
- 橙色の色素(通称「ノルヒポスドール酸」)
透明な状態で分泌された後、空気に触れることで赤や橙色になります。
なぜ分泌するの?
この赤い分泌液には、カバが陸上で生活するうえで重要な役割があります。
- 日焼け止め(紫外線防御)
- 強いアフリカの日差しから皮膚を守ります。
- 紫外線を吸収する天然の「サンスクリーン」のような働きをします。
- 抗菌作用
- 傷口から細菌が侵入するのを防ぎます。
- 水辺で生活するカバにとって感染予防に役立っています。
- 皮膚の保湿
- 乾燥を防ぎ、皮膚をしっとり保つ役割もあると考えられています。
本当の汗との違い
人間の汗は体温を下げるために水分を蒸発させますが、カバの赤い分泌液は体温調節が主な目的ではありません。
カバは体温を下げるために、
- 日中は水中に入る
- 泥を体に塗る
- 夜に陸へ出て採食する
といった行動で暑さをしのいでいます。
カバの赤い分泌液は「血の汗」と誤解されることがありますが、血液は含まれていません。赤い色は血ではなく、特殊な色素によるものです。また、この色素は非常に不安定で、人工的に大量生産するのが難しいため、現在も多くの研究が続けられています。
つまり、「カバは赤い汗をかく」という表現は広く使われていますが、正確には紫外線防御や抗菌作用を持つ赤い皮膚分泌液を出しているというのが科学的な説明です
