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タイタニック号 危険な不整脈 心室細動 

[2025.02.11]

タイタニック号の悲劇

タイタニック号が沈没した際、船から投げ出された人々はどのようにして命を落としたのでしょうか?
おぼれたのか、海の生物に襲われたのか——さまざまな説がありますが、もう一つ考えられる要因があります。

救急外来では、寒い日に自宅で急変し、搬送されてくる患者さんをしばしば診ます。彼らは「心室細動」という致命的な不整脈を起こしています。

緊急の救命治療を施したのちに、原因を調べるために心臓カテーテル検査を行ういますが、狭心症や心筋梗塞といった一般的な不整脈の原因が見つからない。ただ、カテーテルのワイヤーや造影剤などで心臓の筋肉がわずかに刺激されるだけで「心室細動」という危険な不整脈を引き起こす状態になっていました。その原因は 低体温 でした。


低体温により心筋の過敏性が上昇し、通常なら問題のない刺激でも致死的不整脈を引き起こすようになっていたのです。患者さんの体を温めると、不整脈は消失し、無事に回復しました。

寒さが心筋の過敏性を高め、致死的不整脈(心室細動)を引き起こすことがあるのです。
不整脈の原因は多岐にわたります。しかし、これは 簡単に予防 できます。寒さを防ぐ生活環境を整えることが命を守る鍵となります。

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