寝すぎも要注意?「9時間以上の睡眠」と要介護・認知症の関係
「睡眠は長いほど体に良い」と思われがちですが、最近の研究では、高齢者では長すぎる睡眠も健康状態をみるサインになる可能性が指摘されています。
9時間以上眠る人は、要介護になりやすい?
岩手県の地域住民9,576人を平均10年以上追跡した研究では、1日の睡眠時間が7〜8時間の人と比べて、
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9〜10時間未満では、要介護認定のリスクが約17%上昇
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10時間以上では、約26%上昇
していました。
さらに、要介護2以上になるリスクも、睡眠時間が長い人ほど高くなる傾向がみられています。
つまり、特に9時間以上眠る高齢者では、将来の体力低下や要介護化に注意が必要かもしれません。
認知症との関係も「U字型」
睡眠時間と認知症についても、多くの研究から興味深い結果が出ています。
認知症のリスクは、睡眠が短すぎても長すぎても上がる、いわゆる**「U字型」**の関係があると考えられています。
複数の研究をまとめた解析では、標準的な睡眠時間と比べて、
短時間睡眠では認知機能低下のリスクがやや上昇し、長時間睡眠ではさらに強い関連がみられる
という結果が報告されています。
特に9時間以上の長時間睡眠は、認知症やアルツハイマー病との関連が比較的一貫して報告されています。
「寝すぎが認知症を起こす」とは限りません
ここで大切なのは、長く眠ること自体が直接、要介護や認知症を引き起こすと証明されたわけではないという点です。
長時間睡眠の背景には、
うつ状態、睡眠時無呼吸症候群、心臓や脳の病気、運動不足、フレイル、すでに始まっている認知機能低下
などが隠れている可能性があります。
つまり、「最近やけに長く眠るようになった」という変化は、病気そのものというより、体や脳からのサインとして捉えることが大切です。
大切なのは「睡眠時間」だけではありません
多くの研究では、7〜8時間前後の睡眠でリスクが最も低い傾向がみられます。
ただし、必要な睡眠時間には個人差がありますので、無理に7時間に合わせる必要はありません。
それよりも、
「以前より睡眠時間が長くなった」
「9〜10時間寝ても日中眠い」
「いびきや無呼吸を指摘される」
「外出や活動量が減ってきた」
「物忘れが増えてきた」
といった変化がないかを見ることが重要です。
睡眠は、単なる休息ではなく、体力や脳の健康状態を映す一つのバロメーターでもあります。
高齢者における睡眠時無呼吸症のクリーニング検査は無症状者への定期実施は推奨されないが、認知機能低下、日中の眠気、いびき、目撃された無呼吸、コントロール不良の高血圧などがある場合には積極的な評価が慎重である。
高齢になって急に睡眠時間が長くなってきた場合には、「よく眠れているから大丈夫」と考えるだけでなく、体調や生活の変化にも目を向けてみましょう。
