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心臓が厚くなる「心肥大」は、なぜよくないの?

[2026.09.12]

健康診断や心エコーで、

「心臓の壁が少し厚くなっていますね」

と言われたことはありませんか?

「筋肉が厚くなるなら、心臓が強くなったということでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、病気によって起こる心肥大は、心臓が頑張りすぎているサインです。

心臓も、無理をすると筋肉が厚くなる

たとえば高血圧が続くと、心臓は毎日、高い圧力に逆らって血液を送り出さなければなりません。

すると心臓の筋肉は、

「もっと力を出さないと」

と次第に厚くなっていきます。

最初のうちは力強く動けても、長い間この状態が続くと、心臓の筋肉はだんだん硬く、しなやかさを失っていきます。

心臓が厚くなると、血液をためにくくなる

心臓は、血液を送り出すだけではありません。

一度しっかり広がって、血液を受け入れることも大切です。

ところが心臓の壁が厚く硬くなると、

心臓が十分に広がれなくなります。

すると、心臓のポンプ力が一見正常でも、

  • 息切れ

  • むくみ

  • 動悸

  • 疲れやすい

  • 夜になると息苦しい

といった心不全の症状が出てくることがあります。

これが、いわゆる「収縮する力は保たれているのに起こる心不全(HFpEF)」の一つの原因です。

不整脈も起こりやすくなります

心臓が硬くなると、血液を受け取る側の部屋にも負担がかかります。

その結果、心房が大きくなり、

心房細動などの不整脈が起こりやすくなります。

心房細動は動悸の原因になるだけでなく、脳梗塞のリスクにもつながります。

「心肥大=高血圧」とは限りません

心臓の壁が厚い場合、もっとも多い原因の一つは高血圧ですが、それだけではありません。

たとえば、

  • 心臓の弁の病気

  • 肥大型心筋症

  • 心アミロイドーシス

  • その他の心筋の病気

などでも心臓の壁が厚くなることがあります。

特に高齢の方で、

心不全+心肥大+手根管症候群や脊柱管狭窄症

などがある場合には、ATTR心アミロイドーシスという病気が隠れていることもあります。

ATTR心アミロイドーシスは見逃されやすく、早期に診断して治療を始めることが重要とされています。

大切なのは「なぜ厚くなったのか」を調べること

心肥大そのものは、あくまで結果です。

重要なのは、

「なぜ心臓が厚くなっているのか?」

を調べることです。

血圧、心電図、心エコー、血液検査などを組み合わせることで、多くの場合その原因を探ることができます。


心臓が厚い=心臓が強い、ではありません

病気による心肥大は、

「心臓が鍛えられて強くなった」のではなく、
「心臓が長い間、無理をしてきた」サイン

と考えたほうがよいでしょう。

心肥大があるからといって、すぐに大きな病気というわけではありません。

ただし、その背景に高血圧や心臓病が隠れていることがあります。

健康診断などで

「心肥大」「左室肥大」「心臓の壁が厚い」

と言われたら、一度心エコーなどで詳しく確認することをおすすめします。

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