浮腫(むくみ)に簡単に利尿剤を出してはいけません。心臓の周りの水編
[2025.12.03]
心臓は「心膜」という薄い膜に包まれています。
この膜があるおかげで、心臓は肺などの臓器と分けられ、適切な位置に保たれています。
ところが、血液中のタンパク質が少なくなったり、心膜に炎症が起きたり、全身の調子が悪くなったりすると、
心臓と心膜の間に水(心嚢液)がたまってしまうことがあります。
水がたまりすぎると、心臓は広がろうとしても広がれず、
全身に十分な血液を送り出せなくなるんですね。
● これが「心タンポナーデ」
心臓が外側から圧迫されてしまい、
血圧が急激に下がって危険な状態になります。
実は、足のむくみ(浮腫)がある方の中に、まれにこの状態の方が隠れていることがあります。
● 利尿剤が危険になることも
足のむくみに対してよく使われるのが利尿剤ですが、
心タンポナーデの患者さんに利尿剤を使うと、
心臓の中の血液量まで減ってしまい、さらに心臓が広がれなくなって血圧が急激に下がることがあります。
つまり、普段ならむくみに使う薬が、
場合によっては命を奪いかねないということです。
心不全やむくみの治療では、
「むくんでいる=利尿剤でOK」
とは限りません。
患者さんの背景や状態をしっかり見た上で、
慎重に治療を選ぶ必要がありますね。
