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痩せているのに睡眠時無呼吸?

[2026.07.09]

体重だけでは決まらない「いびき・無呼吸」の原因

「睡眠時無呼吸症候群は、太っている人がなる病気」

このようなイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし実際には、標準体重や痩せ型の方にも、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は起こります。

報告によって差はありますが、OSA患者さんのうち、肥満ではない方が一定数を占めています。特に日本人を含むアジア人では、体重よりも顎や顔の骨格、舌の位置、気道の形が影響しているケースが少なくありません。

痩せているからといって、睡眠時無呼吸を否定することはできないのです。


痩せている人に睡眠時無呼吸が起こる主な原因

睡眠時無呼吸は、眠っている間に喉の空気の通り道である「上気道」が狭くなったり、塞がったりすることで起こります。

痩せ型の方では、主に次のような原因が考えられます。

1.顎が小さい、または後ろに下がっている

下顎が小さい「小顎症」や、顎が後方に位置する「下顎後退」があると、舌も後方へ押されやすくなります。

起きている間は問題がなくても、眠って筋肉が緩むと舌が喉の奥へ落ち込み、気道を狭くしてしまうことがあります。

特にアジア人は、欧米人と比較して、肥満が目立たなくても顎や顔面骨格の影響でOSAを発症することがあります。

2.舌が大きい、舌の付け根が落ち込みやすい

体格に対して舌が大きい場合や、眠っている間に舌を支える筋肉の働きが低下する場合も、気道が塞がりやすくなります。

「あお向けで寝ると、いびきや無呼吸がひどくなる」という方は、舌の落ち込みが関係している可能性があります。

3.扁桃腺やアデノイドが大きい

扁桃腺やアデノイドの肥大も、空気の通り道を狭くする原因です。

特に小児や若い方では、肥満よりも扁桃・アデノイド肥大が主な原因となっていることがあります。

4.鼻づまりがある

アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、副鼻腔炎などで鼻呼吸がしにくいと、口呼吸になりやすくなります。

口を開けて眠ると下顎や舌が後方へ移動し、喉の気道が狭くなることがあります。

喫煙による咽頭の炎症やむくみも、OSAを悪化させる要因です。

5.首が太い、喉の周囲の組織が厚い

BMIが正常でも、首の周囲に脂肪や軟部組織が集中している方がいます。

そのため、睡眠時無呼吸の評価では、体重だけではなく、首の太さや喉の形も重要です。

6.呼吸を調節する仕組みが不安定

睡眠時無呼吸には、気道の狭さだけでなく、脳が呼吸を調節する仕組みも関係しています。

呼吸が少し乱れただけで過剰に反応してしまう「ループゲインが高い状態」や、わずかな呼吸の変化ですぐ目が覚めてしまう「覚醒閾値が低い状態」などがあります。

このような体質があると、気道の狭さがそれほど強くなくても、呼吸が不安定になり、無呼吸を繰り返すことがあります。


痩せている人でもCPAPが必要になることがあります

CPAPは、マスクから空気を送り、睡眠中に気道が塞がらないようにする治療です。

中等症から重症のOSAでは、現在も最も確実性の高い治療の一つです。

肥満が主な原因の場合は、減量によってOSAが改善し、CPAPを中止できることがあります。しかし、痩せ型の方では、もともと減らす体重がないため、減量によってCPAPを卒業するという選択肢がありません。

そのため、顎や舌、扁桃、鼻など、OSAの原因そのものに対する治療を検討する必要があります。


CPAPを自己判断で中止しないでください

いびきが減った、眠気がなくなったという理由だけでは、睡眠時無呼吸が治ったとは限りません。

自覚症状が改善していても、睡眠中には無呼吸や低酸素状態が残っていることがあります。

CPAPの中止や代替治療への変更を検討する場合は、次の確認が必要です。

  • 日中の眠気やいびきが改善している
  • 家族から無呼吸を指摘されなくなった
  • 代替治療を適切に継続できている
  • 睡眠検査で無呼吸が十分に改善している
  • 主治医や睡眠専門医が中止可能と判断している

マウスピースや手術を受けたあとも、効果を確認するための睡眠検査が重要です。


痩せ型の方にこそ、原因を調べることが大切です

痩せている方のOSAでは、「もっと体重を減らしましょう」という一般的な対策が当てはまりません。

そのため、次のような点を詳しく調べることが大切です。

  • 顎が小さい、または後ろに下がっていないか
  • 舌が大きくないか
  • 扁桃腺が肥大していないか
  • 鼻づまりがないか
  • あお向けで無呼吸が増えていないか
  • CPAP以外の治療が適していないか

軽症から中等症では、マウスピースや体位療法が有効な場合があります。中等症から重症では、CPAPを基本としながら、耳鼻咽喉科的治療や顎顔面治療を検討することがあります。


まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、体重だけで決まる病気ではありません。

痩せている方でも、

  • 顎が小さい、または後退している
  • 舌が大きい、落ち込みやすい
  • 扁桃腺が大きい
  • 鼻づまりがある
  • あお向けで気道が塞がりやすい
  • 呼吸を調節する仕組みが不安定

といった理由で、重い睡眠時無呼吸を起こすことがあります。

痩せ型の方ではCPAPを完全に中止することが難しい場合もありますが、原因を正しく評価することで、マウスピース、体位療法、耳鼻咽喉科治療、外科的治療などへ切り替えられる可能性があります。

「痩せているから睡眠時無呼吸ではない」と考えず、強いいびき、日中の眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿、熟睡感のなさなどがある場合は、一度睡眠検査を受けることをおすすめします。

また、CPAPを使用中の方は、自己判断で中止せず、必ず医師に相談しましょう

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