睡眠障害に関して制度が変わります
2026年、不眠症や睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療が大きく変わり始めています。
これまで「眠れない」「いびきがひどい」「昼間に眠い」といった悩みがあっても、どこを受診すればよいのか分からない方も少なくありませんでした。
ところが今年、睡眠医療に関する制度が相次いで見直されています。
①「睡眠障害」を診療科名として掲げられるように
2026年6月から、
「睡眠障害内科」
「内科(睡眠障害)」
「睡眠障害精神科」
などの名称を医療機関が標榜できるようになりました。
診療科名の追加は実に18年ぶりです。
これによって、「睡眠のことで相談したいけれど、何科に行けばいいの?」という患者さんが、医療機関を探しやすくなることが期待されています。
② 不眠症の「認知行動療法」が保険適用に
不眠症というと、睡眠薬を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし近年重要視されているのが、**認知行動療法(CBT-I)**です。
睡眠時間や生活習慣、眠りに対する考え方などを見直し、薬だけに頼らず睡眠を改善していく治療法で、2026年度の診療報酬改定から一定の条件で保険診療が可能になりました。
③ 不眠症を治療する「アプリ」も保険適用
さらに、スマートフォンなどを使って不眠症の治療を支援する治療用アプリも保険適用となりました。
今後は、
薬物療法+認知行動療法+デジタル治療
という選択肢が広がっていきそうです。
④ 自宅で精度の高い睡眠検査が可能に
睡眠時無呼吸症候群では、これまで詳しい検査を行うために入院での終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)が必要になることがありました。
2026年には、自宅でもより精度の高いPSG検査ができる睡眠評価装置が保険適用になりました。
「入院する時間がない」という患者さんにとって、大きなメリットになりそうです。
⑤ CPAP治療を始められる基準も緩和
さらに重要なのが、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP治療の保険適用基準の変更です。
従来は精密検査で、
AHI 20以上
が基準でしたが、
AHI 15以上
へ引き下げられました。
簡易検査についても、
AHI 40以上 → 30以上
へ変更されています。
これまで基準にわずかに届かなかった患者さんでも、症状や状態によってCPAP治療につながる可能性が広がりました。
「眠れない」「いびき」も立派な医療の対象です
日本では成人の約2割に不眠症があるとされますが、実際に医療機関を受診していない方もかなり多いと考えられています。
また睡眠時無呼吸症候群は、単に「いびきがうるさい」だけの病気ではありません。
放置すると、高血圧、不整脈、心不全、心筋梗塞、脳卒中などとも関係してきます。
今回の制度変更によって、睡眠医療は今後さらに身近なものになっていくでしょう。
「眠れない」
「昼間とても眠い」
「いびきを指摘される」
「寝ている間に息が止まっていると言われた」
そんな症状がある方は、我慢せず一度医療機関に相談してみてください。
2026年は、まさに「睡眠をきちんと治療する時代」への転換点になりそうです。
