糖尿病と歯周病 狭心症 心筋梗塞
[2025.03.07]
糖尿病患者の口腔ケアの重要性について、学会でも推奨されているという点は非常に重要です。糖尿病と歯周病の関係について簡単に整理すると以下のようになります。
1. 糖尿病と歯周病の相互関係
- 糖尿病患者は歯周病になりやすい
- 糖尿病患者は非糖尿病者と比べて 2.6倍 歯周病になりやすいと報告されています。
- 唾液に糖分が多く含まれるため、口内環境が細菌の繁殖に適した状態になりやすい。
- 歯周病が糖尿病を悪化させる
- 食後8時間で食べかすの中で細菌が増殖し プラーク(歯垢) が形成される。
- プラークが慢性的な炎症を引き起こし、サイトカイン という物質が血中に放出される。
- サイトカインは インスリンの働きを阻害 し、血糖コントロールを悪化させる(インスリン抵抗性を引き起こす)。
- インスリン抵抗性の増加は 脳梗塞や心筋梗塞 のリスクを高める。
2. 歯磨きの重要性
- 口腔ケア=全身の健康維持
- 歯磨きを怠ると炎症が慢性化し、糖尿病のコントロールがさらに難しくなる。
- 糖尿病患者は特に 歯科定期検診(3〜6ヶ月ごと)を受け、早期に歯周病を予防・治療することが重要。
- 適切な歯磨き習慣
- 食後すぐの歯磨き(特に夜寝る前が重要)。
- デンタルフロスや歯間ブラシの併用でプラーク除去を徹底する。
- うがい薬や歯科専用のマウスウォッシュを活用するのも有効。
3. 糖尿病患者に推奨される口腔ケア
- フッ素配合歯磨き粉を使う
- 定期的な歯科クリーニング
- 禁煙(喫煙は歯周病の進行を早める)
- 水分補給を適切に行い、口腔の乾燥を防ぐ
このように、糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼし合うため、口腔ケアを徹底することで 血糖コントロールの改善にもつながる ということが明らかになっています。