肥満と癌
[2025.10.04]
肥満および肥満症は、糖尿病や心臓病、脳梗塞といった疾患だけに関わる問題ではありません。
肥満に伴う脂質の蓄積は、しばしば血管内に認められ、さまざまな臓器への血流を妨げます。その結果、慢性的な酸素・栄養不足が臓器不全へとつながる可能性があります。
さらに深刻なケースでは、低酸素状態による慢性ストレスが、発がんリスクの上昇に寄与するとも言われています。
実際に、BMIが5増加すると死亡率は約30%上昇するという報告もあります。
この死亡リスクの背景として、糖尿病死に次いで多いのが肝疾患による死亡であり、中でも肝臓がんとの関わりが指摘されています。

脂肪肝は「軽い病気」と思われがちですが、肥満による脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患=NAFLD)は深刻なリスクを伴います。肝硬変や肝がんへの進行もあり得るため、決して見過ごせません。
肺がんに関しては肥満との明確な関連性は見られていませんが、以下のがん種においては肥満がリスク要因とされています:
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大腸がん
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食道がん
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膵臓がん
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卵巣がん
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子宮がん
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腎臓がん
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乳がん など
このように、肥満は多くのがんの発症リスクに関わる生活習慣病のひとつです。
つまり、肥満の解消は「がん予防」にもつながるのです。
