肥満やヤセと心不全
[2025.06.09]
肥満は心不全のリスクとして知られていますが、実は低体重も同様にリスクがあり、予後を悪化させる要因となります。
一般的に、1日に約250〜300gの筋肉タンパク質が分解されます。その一部は再び筋肉に再合成されたり、アミノ酸に変化したりします。また、一部は肝臓でエネルギーに変換されます。
この分解・合成のバランスを調節する物質は複数存在します。カテコラミンやコルチゾールはタンパク質の分解を促進しますが、テストステロンやIGF-1(インスリン様成長因子-1)といったタンパク質合成を促す物質は減少します。
さらに、インスリン抵抗性の出現によって筋肉合成作用も低下します。脂肪も同様に分解が進行するため、心不全の末期には筋肉も脂肪も極端に減少した状態になることがあります。
このため、「栄養によって心不全を治療する」という視点からの栄養補助が必要になります。
心不全と診断された方は、どのような食事をとるべきかについて、必ず医師に相談することが大切です。