ACPってなに?
インフルエンザもコロナもまだ衰えず流行中です。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年も残すところ2週間を切りました。
クリスマスやお正月を待つ今の時期が最も忙しなく、でもなんとなく心躍る時間ですね。
今日は、いきなり専門用語です。
皆さまは『ACP』というのを聞いたことがありますか。
私も少し前までは知りませんでしたが、最近よく耳にします。
A…Advance
C…Care
P…Planning
日本語では『人生会議』と言われます。
欧米では自宅で最期を迎える方が約半数、その他病院や施設で最期を迎える方が半数と言われています。
日本では、自宅死のかたはわずか17パーセントほど。
施設などが10パーセントほどだそうです。圧倒的に病院で死を迎える方が多いのですね。
ですが25年後には日本の死亡者数は160~170万人と想定され、病院のベッドは100万人分と言われていますので、60~70万人の方は自宅や施設で最期を迎えることになります。
病院死を迎える方が大半ですが、死を考えた時には6~7割の方は自宅で最期を迎えたいと思っているのだそうです。
どうして日本は自宅で最期を迎えることが少ないのでしょうか。
おそらく本人も、ご家族も怖いのだと思います。
面倒を見てくれる人がいない。
誰がどんなことを助けてくれるの?
なにか起きた時にどうしたらよいかわからない。
そんな不安ばかりではないでしょうか。
人生の最期をどこでどう迎えるか。考えられるうちに家族、医療者と共に考え、ご自身で意思決定をする、それがACPです。
日本では死について語ることはタブー視されがちでした。ましてや医療機関では縁起が悪いことと思われがちです。
でも自分が主役になって考えること、決めていくこと、医療者は必要な情報を提供し、そうしたい最期にするにはどうするか一緒に考えることが大切というふうに、やっとなってきたのです。
院長も先日、市民の皆さまに向け講演会をいたしました。
聴いてよかったとのアンケート結果だったようです。
ご家族が集まるこの時期、人生会議をもってみてはいかがでしょうか。
長谷川 千枝