昔のこと
今週もナース長谷川がお届けします
先週、そして週明けの今日、気温差が激しいですね
みなさま体調を崩していませんか
今日は、都内の病院の循環器病棟で働いていたころの話です
心不全を起こしたさくらさんが転院してきました
さくらさんは歳が私と同じくらい、20代後半で結婚、出産が早かったため3人の小さなお子さんをお持ちでした
3人目のお子さんを出産直後に白血病を発症し、ガン専門病院で抗がん剤治療中に薬の副作用で心不全を起こし転院してきたのです
ご存じの方も多いと思いますが心臓のポンプ機能が低下すると血液を介した水分のバランスがとれず、本来なら溜まらない場所に水が溜まってしまいます
肺に溜まり呼吸が苦しくなったり、脚に溜まってぞうさんの脚のようになったりする方が多いですね
転院してからの治療は過酷なものでした
強心剤と利尿剤による治療で何とか水が溜まらない状態をキープしなければなりません
ロープの上を綱渡りしているようなもので少しでもバランスを崩したら心不全に転落です
採血結果や体重をみながら、胸のレントゲン写真をみながら、エコーで心臓のポンプ機能が低下していないかをみながら、薬の量は合っているか、水分摂取量は適切かなどをみていきます
余談ですが、はせがわクリニックは検査が多すぎるとお思いになっておられる患者さまもいらっしゃると思いますが、こんなこともあるわけです
さくらさんはその辛い治療に加えて白血病の治療も並行していましたので想像を絶します
毎日缶詰のような無菌食、口の中は口内炎だらけ、そして私が一番辛かったのは喉が渇いてしかたないのに水を飲ませてあげられないこと
口の中で長持ちするよう氷のかけらをお持ちするのですが、ひとかけの氷のグラムを計っていくのです
ゴクゴク飲ませてあげれたらどんなに幸せだろうと思いました
ですから子育て中も今も水を無駄にすることにとても抵抗があります
さくらさんはもうおられませんが度々思い出しています
今年も飲める幸せをかみしめながら、暑い夏を乗り切ろうと思います