徐脈
徐脈(じょみゃく)とは?
徐脈とは、心拍数が異常に遅くなる状態のことを指します。
- 一般的に60回/分未満が徐脈とされます。
- アスリートや健康な人でも、安静時に50回/分以下になることがあり、それは異常ではありません。
- しかし、めまい・息切れ・失神などの症状を伴う場合は、病的な徐脈の可能性があります。
📌 徐脈の種類
徐脈は、発生する場所や原因によっていくつかの種類に分かれます。
1️⃣ 洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)
📌 洞結節(心臓のペースメーカー機能を持つ部位)の異常により、心拍数が低下する病気
✔️ 主な特徴
- 心拍数が極端に遅くなる(50回/分以下)
- 突然心拍が止まることもある
- めまい・意識消失のリスクあり
✔️ 原因
- 加齢
- 心臓の病気(心筋梗塞・心筋症など)
- 一部の薬の影響(βブロッカー、カルシウム拮抗薬など)
✔️ 治療
- 症状が重い場合はペースメーカーを埋め込む手術を行う
2️⃣ 房室ブロック(ぼうしつブロック)
📌 心房と心室をつなぐ電気信号がうまく伝わらず、心拍が遅くなる病気
✔️ 主な特徴
- 軽度から重度まで様々なタイプがある
- 重症化すると失神や突然死のリスクがある
✔️ 種類 ➡ 1度房室ブロック:軽度で、通常は症状なし
➡ 2度房室ブロック:一部の電気信号が心室に届かない
➡ 3度(完全)房室ブロック:全く信号が伝わらず、心室のリズムが極端に遅くなる
✔️ 原因
- 加齢
- 心筋梗塞・心筋症などの心臓疾患
- 迷走神経の過剰な刺激(ストレス・睡眠時など)
- 一部の薬の影響
✔️ 治療
- 軽度の場合は経過観察
- 重度の場合はペースメーカーの植え込みが必要
3️⃣ 徐脈性心房細動(じょみゃくせい しんぼうさいどう)
📌 通常は頻脈(速い脈)を伴う心房細動が、逆に異常に遅くなるタイプ
✔️ 主な特徴
- 心房が不規則に震えるが、心室への信号がうまく伝わらず心拍が遅くなる
- 息切れ・めまい・ふらつきを引き起こす
- 血栓ができやすく、脳梗塞のリスクが高まる
✔️ 原因
- 心房細動の進行による電気信号の異常
- 薬の影響(心拍を抑える薬が効きすぎる)
✔️ 治療
- 抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)で脳梗塞予防
- ペースメーカーを埋め込むこともある
4️⃣ 迷走神経反射性徐脈(めいそうしんけいはんしゃせいじょみゃく)
📌 ストレスや痛み、強い緊張で自律神経(迷走神経)が過剰に働き、心拍が遅くなる
✔️ 主な特徴
- 強い痛みや驚き、緊張で突然血圧が下がる
- 一時的に意識を失うことがある(神経調節性失神)
✔️ 原因
- 緊張・ストレス・恐怖
- 立ちくらみ(起立性低血圧)
- 暑い場所での長時間の立ち仕事
✔️ 治療
- 基本的には経過観察(回復することが多い)
- 再発予防:こまめな水分補給・無理をしない
💡 徐脈が危険な場合
❗ こんな場合はすぐに受診を! ❗
✅ 息切れ・めまい・意識を失うことがある
✅ 突然の強いふらつきや失神がある
✅ 心拍が35回/分以下で異常な疲れや息苦しさが続く
🔹 まとめ
- 徐脈は50回/分未満の異常な心拍の遅さ
- 洞不全症候群・房室ブロック・徐脈性心房細動・迷走神経反射などの種類がある
- ペースメーカーが必要な重症例もあるが、一時的なものなら自然回復することも多い
- 息切れ・めまい・失神があれば、すぐに病院で検査を!
🏥 気になる場合は早めに循環器科を受診して、心電図などで確認すると安心ですね! 😊