胸が苦しい 息苦しい
息苦しさや呼吸困難(呼吸苦)は、さまざまな原因によって引き起こされる症状です。この感覚は、息が十分に吸えない、呼吸が浅い、胸が詰まったように感じるなど、個々人で異なる形で現れることがあります。以下に、主な原因をカテゴリ別に詳しく説明します。
1. 呼吸器系の問題
急性の原因
- 喘息: 気道が狭くなり、息苦しさや喘鳴(ヒューヒュー音)が発生します。
- 気管支炎: 炎症による気道の狭窄で呼吸が困難になることがあります。
- 肺炎: 感染による肺の炎症が原因で息切れや胸の痛みが起こります。
- 肺塞栓症: 血栓が肺の血管を詰まらせることで突然の呼吸困難が生じます。
- 気胸: 肺が部分的または完全に潰れてしまい、息苦しさが急に発生します。
慢性的な原因
- 慢性閉塞性肺疾患 (COPD): 主に喫煙が原因で、呼吸が徐々に困難になる病気です。
- 間質性肺炎: 肺の組織が硬くなることで息苦しさが増加します。
- 肺高血圧症: 肺の血管が狭くなり、呼吸がしにくくなります。
2. 心臓の問題
- 心不全: 心臓が十分な血液を送り出せず、息切れが起こります。特に横になると悪化します。
- 狭心症や心筋梗塞: 心臓の血流不足が原因で胸痛や息苦しさが現れます。
- 心膜炎: 心臓を包む膜の炎症が息苦しさを引き起こすことがあります。
3. 血液・代謝の問題
- 貧血: 酸素を運ぶ赤血球が不足すると、息切れが生じます。
- 甲状腺機能亢進症: 代謝が過剰になり、息苦しさを感じることがあります。
- 酸塩基平衡異常(アシドーシスやアルカローシス): 体内のpHバランスの乱れが呼吸に影響を与えます。
4. 精神的要因
- パニック障害: 急激に発生する息苦しさや過呼吸、胸の圧迫感を伴います。
- 過換気症候群: ストレスや不安が原因で、息を吸いすぎることで呼吸が乱れます。
5. 外的要因
- アレルギー反応: 食べ物や薬物によるアナフィラキシーは、気道の腫れを引き起こし、息苦しさを引き起こします。
- 煙草や化学物質: 刺激物が気道を刺激し、呼吸が困難になる場合があります。
6. その他の原因
- 肥満: 体重過多が呼吸に負担をかけることがあります。
- 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に呼吸が途絶えることで、日中の息切れや疲労感が現れます。
- 神経筋疾患: 筋力低下により呼吸が十分に行えない場合があります。
症状が危険なサインの場合
以下の場合は緊急の医療介入が必要です:
- 息苦しさが急激に発生した。
- 胸痛や失神を伴う。
- 唇や顔色が青白くなる(チアノーゼ)。
- 高熱や激しい咳を伴う。
- 横になると息苦しさが増す。