疲労感、胸痛、むくみ、動作時の息苦しさ——

このような症状を訴える患者さんの背景には、肺気腫や喘息などの肺の病気、あるいは狭心症や心筋梗塞といった心臓の重篤な疾患が考えられます。しかし近年、「肺高血圧症」という病気を疑うことも増えてきました。

肺高血圧症とは、肺に向かう血管における血圧が高くなる状態を指します。発症初期にはかかりつけ医や一般開業医が診ることが多い疾患です。

最近では新しい治療薬も登場していますが、診断が遅れると慢性化し、治療が難しくなることもあります。

上記のような一見よくある症状の中に、重大な疾患が隠れていることがあります。
先日参加した循環器学会でも多くの先生方がこの病気を取り上げており、私自身もその重要性を再認識し、気持ちを新たにしました。