上皇様の心筋虚血
[2025.05.07]
上皇陛下が「心筋虚血」と報じられたことを目にしました。
心筋虚血とは、平たく言えば「心臓の筋肉に十分な血液が行き渡らなくなっている状態」です。つまり、心臓の筋肉が酸素不足に陥っているということです。
かつて上皇陛下が狭心症と診断され、冠動脈バイパス術を受けられたことは広く知られています。
今回、どのような経緯で心筋虚血が発覚したのかは報道されていませんが、狭心症の再燃とみられています。
考えられる可能性としては、以前に繋いだバイパス血管が劣化して狭窄あるいは閉塞してきたか、あるいはバイパス先の冠動脈の末梢部で新たに狭窄が起きているのかもしれません。現時点では詳細は不明です。
治療の選択肢としては、
-
薬物治療
-
冠動脈カテーテル治療(PCI)
-
再度の冠動脈バイパス術(CABG)
が考えられます。
近年の研究では、いずれの治療法も良好な成績が得られることが示されています。
上皇陛下のご年齢や腎機能などの全身状態を総合的に考慮し、最も適した治療が選ばれることでしょう。
一日も早いご快復と、良好な経過を心よりお祈り申し上げます。