お風呂と肺の病気 非結核性抗酸菌症
[2025.05.08]
呼吸器の病気の中には、なかなか治りにくいものがあります。
その一つが「非結核性抗酸菌症」という病気です。
先日参加した呼吸器学会でも、この病気に関する多くの発表があり、注目の高さを感じました。
非結核性抗酸菌症は、多くの場合ゆっくりと経過しますが、運が悪いと結核のように血痰が出ることがあります。結核菌とは異なりますが、同じ「抗酸菌」という種類の菌が原因です。
この菌は土壌中に生息しており、園芸や農作業など、土を扱う仕事に従事する方に多く見られます。さらに、驚くことに家庭内にもリスクが潜んでいます。
例えば、お風呂のシャワーヘッドの内部にも、この菌が存在していると言われています。
欧米ではシャワーヘッドの中が主な発生源とされますが、日本では風呂桶の追い焚き機能にあるフィルター内に多く検出されるそうです。つまり、お風呂掃除をする人が菌にさらされる可能性があるということです。
とはいえ、お風呂掃除を避けるわけにはいきません。ですので、シャワーヘッドや追い焚き機能のフィルターは、定期的に清掃し、必要に応じて交換することが大切です。