怖い帯状疱疹の合併症
帯状疱疹はただ痛くなる病気ではありません。怖い合併症があります。
帯状疱疹の主な合併症は、帯状疱疹後神経痛(PHN)、感覚器障害(特に目・耳)、顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)、および稀な中枢神経障害や運動神経麻痺です。
主な合併症は以下の通りです。
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帯状疱疹後神経痛(PHN)
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発疹が治った後もしばらく続く強い痛みが残ります。50歳で発症した人の約2割が経験すると、高齢者ほどリスクが高いです。
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皮膚の細菌感染(二次感染)
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溶連菌やブドウ球菌による皮膚感染症が起こる場合があります。
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眼合併症
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角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎などにより視力低下や失明に至ることがあります。鼻周囲に発疹が出る場合は特に注意が必要です。
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耳・聴覚障害および顔面神経麻痺
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ラムゼイ・ハント症候群:耳痛、顔面神経麻痺、難聴、めまい、耳鳴りなど、顔・耳の帯状疱疹による特徴的な障害です。
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運動神経障害
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まれに、麻痺や筋力低下、横隔神経麻痺、神経因性膀胱(排尿障害)、横断性脊髄炎(下肢麻痺や約筋障害)などもあります。
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中枢神経合併症
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無菌性髄膜炎、脳血管炎(脳梗塞や穏やか)、ベル麻痺(向顔面麻痺)など、まれではありますが重篤な神経系合併症が報告されています。
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その他の全身症状
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発熱、倦怠感、頭痛など、全身症状を伴うこともあります。
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合併症は発症部位や年齢、全身状態によって発生頻度や重症度が異なるため、帯状疱疹を発症した場合は早期治療が重要です。