周りが黄色く見える
[2025.02.16]
自分の体が黄色いのではなく、周囲が黄色く見える病気があります。
これは黄視症(おうししょう)と呼ばれます。
印象派の画家ゴッホは、この病気だったと言われています。
黄視症の原因としては、白内障(水晶体が黄色く濁ることがあります)、脳腫瘍、網膜の病気、糖尿病、鉛中毒、サントニン中毒(寄生虫治療薬)などが挙げられますが、ゴッホの場合はジギタリス中毒だったそうです。
ジギタリスは、かつて循環器科で心不全治療の主力薬として使われていました。
この薬は、網膜にある赤と緑の色を感知する細胞に影響を及ぼし、赤と緑の色相が正しく識別できなくなることで、周囲が黄色く見えるようになります。
ゴッホはてんかんを患っており、その治療としてジギタリスを処方されていたため、この副作用で黄色く見えていたと考えられています。
ゴッホの作品に黄色が多く使われているのは、彼の見えていた世界が影響していたのかもしれません。