知っていてほしい救急対応
[2025.07.18]
臓器によって酸素不足への強さは異なり、それぞれがどの程度まで耐えられるかには差があります。
特に脳と心臓は酸素不足に非常に弱い臓器です。
血流が止まると、心臓や脳ではほんの数分で壊死が始まり、重大な機能不全を引き起こします。
患者さんの状態が急変し、なんとか救命できたとしても、脳の機能障害が深刻で植物状態になってしまうことがあります。これは、他の臓器は一時的な血流低下にある程度耐えられるのに対し、脳は極めて脆弱であるためです。
そのため、急変時には心臓マッサージを行いながら、しっかりと血圧が保たれているかを確認することが重要です。具体的には、マッサージ中に首の動脈(頸動脈)の拍動が触れるかを確認します。拍動が触れれば、少なくとも収縮期血圧が70mmHg以上は保たれていると推測でき、心臓マッサージはある程度効果が出ていると判断します。
急変は誰にでも突然起こりうるものです。心臓マッサージなどの救命技術を社会全体で磨いていくことで、一人でも多くの命が救われ、生還できる人が増えることを願っています。