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長引く咳 アトピー咳嗽

[2025.05.30]

長引く咳の原因として有名な疾患のひとつ

アトピー咳嗽(がいそう)

アトピー咳嗽(あとぴーがいそう)の「名前の由来」は、その疾患の特徴である「アトピー素因(アレルギー体質)」に基づいています。つまり、アレルギー体質を持つ人に多く見られる咳であることから、「アトピー(atopy)」という言葉が用いられています

 

アトピー咳嗽は、8週間以上続く乾性(痰を伴わない)慢性咳嗽の代表的な原因のひとつです。同様に有名なものに咳喘息があります。

もちろん、咳が長引く場合には以下の疾患をまず除外する必要があります:

  • 肺結核 肺がん 気管支喘息  慢性閉塞性肺疾患(COPD)  心不全 など

これらを除外したうえでアトピー咳嗽と診断がつけば、比較的スムーズに治療が可能です。

 

診断は

以下の項目をすべて満たす場合、アトピー咳嗽と診断されます。

  • 喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒュー音)や呼吸困難を伴わない、乾いた咳が3週間以上持続する

  • 気管支拡張薬(咳喘息に有効な薬)が効果を示さない

  • アトピー素因(アレルギー体質)を示す検査所見、または痰に好酸球(アレルギー細胞)の増加が認められる

  • ヒスタミンH1受容体拮抗薬やステロイド薬の投与で咳が消失する

咳をする人のイラスト(女性)


アトピー咳嗽と咳喘息の違い

両者は朝方に咳が出やすいという共通点がありますが、以下の点で重要な違いがあります:

  • 咳喘息:約30〜40%が将来的に気管支喘息に移行する可能性あり

  • アトピー咳嗽:喘息への移行はほとんどない

この違いは、今後の治療方針や経過観察の内容に大きく影響します。
そのため、正確な除外診断と鑑別が非常に重要になります。

 

咳が出る方はぜひご相談ください。

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