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便秘と心臓病

[2024.12.13]
  • いきむことによる血圧上昇
    排便時の強いいきみが心血管系に負担をかける可能性があることは、特に高齢者や心血管リスクを抱える人々にとって注意すべき点です。

慢性便秘の方は、脳卒中による死亡リスクが2倍以上、心筋梗塞によるリスクが1.5倍以上高いことがわかっています。
排便時に強くいきむことで血圧が上昇し、脳や心臓の血管にダメージを与える可能性があります。


便秘とは、一般的に4~5日たっても排便がない状態を指しますが、個人差が大きい症状です。1~2日排便がなくても腹部に不快感がなければ、便秘と判断しなくてもよい場合があります。
毎日排便があることが必須ではありません。それにもかかわらず、「毎日排便がないと便秘だ」と考えて下剤を頻繁に使用し、便秘と下痢を繰り返す方もいます。

残便感がある場合は別として、基本的にはリラックスして構えることが重要です。

便秘の治療は、便が固い場合、腸の動きが悪い場合、便栓がある場合、残便感がある場合といった状況に応じて異なります。

  • 便秘・下痢の人のイラスト

便が固い場合には、便をやわらかくする薬を処方します。その際、よく使用されるのがマグネシウム製剤です。
以前、「にがりダイエット」が流行したことがあります。にがりの成分は塩化マグネシウムであり、これは治療薬として使用されるマグネシウム製剤を大量に摂取するのと同じ原理です。


比較的多くの患者さんにマグネシウム製剤が処方されていますが、マグネシウムが体内に過剰に蓄積すると、脈拍が遅くなるなどの副作用が生じる可能性があります。実際に、高齢者施設でマグネシウム製剤の使用が原因とされる死亡例が報告されています。
特に腎機能が低下している方や高齢者が内服する場合は、慎重に使用する必要があります。



身近な「便秘」という症状も、心臓病と深く関わっているのです。

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