メニュー

健康のために 寝室の室温は?

[2024.12.12]

眠りにつけない、いわゆる「不眠」に悩む人は、高齢者では10~20%と多いことがわかっています。不眠は糖尿病の発症リスクを高め、心筋梗塞による死亡率や総死亡率が上昇すると言われています。

また、寒冷な環境では血液の凝固能が高まり、血液が固まりやすくなることが知られています。これを防ぐため、入眠の2時間前に入浴したり、就寝前に室温を温かく保つことが予防に有効とされています。


WHO(世界保健機関)は、睡眠時の室温を18℃以上に保つことを推奨しています。しかし、日本では約90%の地域でこの条件が満たされていないのが現状です。

研究によると、シーツだけで寝ている場合、室温29℃が最も睡眠効率が良く、湿度は50%が適しているとされています。一方で寝具を使用している場合、室温が3℃や17℃では睡眠効率に影響はありませんが、35℃では低下することがわかっています。

つまり、寝る時の室温はおおむね20~30℃に保つのが良いと考えられます。


寒冷な環境で寝ている人は、夜間から早朝にかけて急激に血圧が上昇する「モーニングサージ」が起こりやすいことがわかっています。

起床時の血圧が最も低くなる室温については以下のような傾向があります:

  • 男性:30歳では20℃、80歳では25℃
  • 女性:30歳では22℃、70歳では25℃

高齢者や女性では、室温を高めに設定したほうが良いとされています。室温が10℃低下した場合、衣服を増やしても血圧上昇は防げません。就寝時の服装を調整するだけでは不十分であり、室温を上げることが重要です。

特に、起床の1時間前に室温を24℃に設定することで、朝の血圧を下げる効果が示されています。


また、夜間に起きて寒い場所を歩くと、ヒートショックによる心筋梗塞や過活動膀胱のリスクが高まります。さらに、寒さの刺激でその後も寝付けなくなることがあります。

これらを踏まえると、寝ているときの室温は少し高めの25℃前後が適切かもしれません。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME