周りが青く見える キツネの手袋
[2025.02.27]
キツネの手袋(ジギタリス)
1775年、ウィザーリング氏は水腫病の治療にある植物を用いました。それは、ある老婦人が秘密の薬として使っていたもので、激しい嘔吐や下痢を引き起こすことも多々ありました。しかし、この植物の葉を煎じて患者に与えると、悪心(吐き気)を訴えたものの、大量の尿が出て息切れが改善されたのです。
この植物こそがジギタリス。
現在ではあまり使用されなくなりましたが、少し前までは心臓のポンプ機能を改善する薬として、心不全治療の主役とされていました。
しかし、その強力な効果ゆえに長期間使用すると、副作用が現れることもありました。
例えば、
- 脈拍が40以下の徐脈
- 周囲が青く見える視覚異常
- 体を動かすと失神する といった中毒症状を引き起こすことがあったのです。
現在でも、まれに「周りの色が青く見える」と訴える人がいます。