高血圧 高齢者の減塩
[2025.02.21]
高齢者は一般的に食塩感受性が高く、減塩は有効です。
お話を伺うと、「おしんこが好き」「みそ汁を飲まないと落ち着かない」といった声が聞かれます。
しかし、食塩を摂取するだけで脳梗塞のリスクが増加することが示唆されています。
終戦直後の東北地方では、一日の塩分摂取量が25gと極めて高く、脳梗塞の発症も多く見られました。一方で、現在は塩分制限を推奨している自治体で脳梗塞の発症率が明らかに減少しています。
基本的な対策として、一日の塩分摂取量を6g未満に抑えることを目標とします。
ただし、過度の減塩は脱水や低ナトリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
低ナトリウム血症
軽度の場合(ナトリウム値130〜135 mEq/L程度)
- 頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 倦怠感(だるさ)
- 軽い注意力低下
中等度の場合(ナトリウム値125〜129 mEq/L程度)
- 混乱や意識障害
- 筋けいれんや筋力低下
- めまい
- 歩行不安定
重度の場合(ナトリウム値<125 mEq/L)
- 痙攣発作
- 意識消失
- 呼吸困難
- 脳浮腫(特に急激に低下した場合は生命に危険)
重度や中等度の症状はまれですが、軽度のものはよく見られます。
ゆっくりと値が低下する場合は症状が現れず、その人の定常状態が保たれていることも多いため、大事に至らないこともあります。しかし、食事や内服が不安定で急速に経過する場合は注意が必要です。