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狂犬病

[2024.12.11]

日本は狂犬病が撲滅された、世界でも稀な国です。

しかし、狂犬病は現在も世界で毎年5~6万人が死亡しており、発症すれば致死率はほぼ100%という極めて危険な感染症です。

狂犬病の感染メカニズム
傷口や粘膜から侵入した狂犬病ウイルスは筋肉を経由し、末梢神経を通じて全身に広がります。末梢神経ではゆっくり感染が進みますが、

脳ではウイルスが急速に増殖し、脳炎を引き起こします。その結果、異常な興奮や攻撃的な行動を示し、やがて麻痺が進行して死に至ります。

 

 

感染源について
狂犬病はすべての哺乳類が感染する可能性がありますが、地域ごとに主な感染源が異なります。

  • 都市型狂犬病(世界中):主に犬が感染源
  • 森林型狂犬病(北米):アライグマやコウモリが主な感染源
  • ヨーロッパ:キツネが感染源となることが多い

 

 

狂犬病という名称から「よだれを垂らしながら狂ったように吠える犬」のイメージが強いかもしれませんが、感染していても症状がほとんど現れない動物もいます。そのため、見た目で判断するのは危険です。

 

人も感染初期には分かりません。

 

 

感染経路
感染の多くは動物に噛まれることによりますが、以下のようなケースも報告されています:

  • 噛まれる、唾液による感染
  • 動物体液が傷に触れただけで感染する場合
  • エアロゾル感染(空気中に漂う微粒子から感染:まれ)

通常は発症まで2ー3か月かかりますが、また、頭部や首など体の上部に近い箇所を噛まれると、発症が早まる可能性があります。特に子供は体が小さく、頭部への感染リスクが高いため、注意が必要です。

 

日本における狂犬病の状況
日本では1956年以来、狂犬病の発症例はなく、1957年には最後の感染動物(猫)が確認されました。しかし、日本は狂犬病が流行する国々に囲まれており、油断は禁物です。

近年のインバウンド需要の増加に伴い、危険動物の持ち込みがリスクとなる可能性もあります。日本にいても、また、短期の海外旅行でも感染のリスクは存在するため、「短期間だから大丈夫」とは限りません。

 

予防の重要性
狂犬病はゾンビや吸血鬼の物語を思い起こさせるような恐ろしい病気ですが、ワクチン接種が最も効果的な予防策です。自分や家族を守るため、必要に応じてワクチン接種を検討しましょう。

 

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