睡眠時無呼吸症候群があると緑内障になる可能性が10倍
[2024.12.16]
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方は、健常者に比べて緑内障の発症リスクが10倍に達するという衝撃的な事実があります。
北海道大学の研究グループによると、その機序について以下のように説明されています。
無呼吸が発生すると胸腔内圧が低下し、それに伴い眼圧が下がります。同時に血液中の酸素分圧が低下し、脳が低酸素状態に陥ることで視神経に障害が生じる可能性があると考えられています。
胸腔内圧の低下や酸化ストレスは、視神経を含むさまざまな臓器にダメージを与えることが知られています。
緑内障は、失明原因の第1位となっている疾患です。一般的には眼圧が高いことがリスクとされていますが、「正常眼圧緑内障」と呼ばれる眼圧が正常範囲内の緑内障が全体の約70%を占めています。このタイプの緑内障の主な原因として、近視、加齢、そして酸化ストレスが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群は、この酸化ストレスを増大させる要因となり、緑内障だけでなく動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞といった深刻な疾患のリスクも高めます。
しかし、CPAP(持続陽圧呼吸療法)など適切な治療を行うことで、緑内障の進行を抑制できることが明らかになっています。
睡眠時無呼吸症候群の可能性がある方や、すでに緑内障を抱えている方は、医師の診察を受けるなどして早めの対策を心がけてください。